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本を出版する、という企画


出版企画の現状報告 2003.03.11

本を出す企画はどうなったの?という問い合わせを時折いただきますので、進行状況を報告することにしました。

企画は(ものすごく進みが遅いのですが)きちんと続いています。
これまでに、とある出版社の編集者に対して、二回企画書草案を見せています。
一度目は2002年の6月。二度目は2003年の1月です。(この時間の開き具合が、企画の進みの遅さを物語っているのですが。。。企画者がなかなか次の企画書を仕上げる時間が取れずにいるのが原因です。)
二度目の企画書の時点で、次は本番の企画書になるように形をもっていきましょう、という話になりました。すぐにでも、と思いつつ、またひと月ふた月たちつつあります。

いま話をしている編集者さんは個人的な知り合いでもありますので、進みは遅くても何とかつきあってもらえそうです。ただ、本格的に原稿や編集協力の方を募集するのは、企画として本決まりになってからにするべきだ、というアドバイスもあり、なかなか募集の詳細を発表できないままでいます。

進みは遅いですが、この企画はいつも「やらなければいけないこと」のリストのランキング上位に入っていますので、時々せっつきながら見守っていただければと思います。



企画の概要

 みなさまに参加していただきたいこと

・中絶体験記を書いていただき、寄稿していただくこと。
 中絶の当事者である女性として、男性として、家族として、教育関係者、医療関係者として、それぞれの経験や立場から書いていただければと思います。また、書いていただいた内容について、編者との間で対話していただけることを希望します。

・編者として、本を作る作業や議論に関わっていただくこと。
 寄稿された体験記に対して、どのように対話し、議論を進めていくかなどに対して、実際に関わっていただける方を募集したいと思っています。東京での実際の作業に、対面で関わっていただける方を募集します。

 くわしい募集内容・条件については、決定次第追ってお知らせします。
 興味を持っていただいた方は、メールをいただけましたら、詳細が決まり次第お知らせいたします。


 どうして本を出すのか

 本を出版したいひとつの理由は、出版された本が店頭に並んだり、書評されることによって、これまでにインターネットでの中絶体験ページを目にすることがない人たちの目にも触れ、読まれ、認知を得ることが期待できるからです。この問題に関心がなかった人たち、意識していなかった人たち、見てみるチャンスがなかった人たちにも届くひとつの可能性として、本は有効であると考えています。
 もうひとつは、出版された本が、インターネット上の情報に比べ、より信頼のおける、堅固な存在として認識され、参照されるということです。比較的変化が早く、変わったりなくなったりする可能性のあるインターネット上の情報だけでなく、長く残り、内容を参照できという本の長所を生かし、中絶体験についての語りを広げていきたいと思っています。


 どのような本をつくりたいのか

 作りたい本についてのイメージは、以下のようなものです。
・当事者の視点から語られ、複数の声が反映されるもの。
・セックスをして生きている/生きてきた者として、中学生や高校生に対しても、対等な立場からの発言。また、中学生や高校生に手にとってもらえるような、アピールのある本。
・本として出版するのにふさわしい、批判に耐える内容。社会について学び、研究する人々にも使えるような本。
・単に中絶の体験にとどまらず、社会的な背景についても踏み込んで考えた本。

 すでに矛盾が生じているような気もしますが、当事者の手による、批判に耐える、踏み込んだ、かつ中高生にも手にとってもらえるような本を目指したいと考えています。

 また、この企画は「かなしいこと」の運営者によって提案されていますが、「かなしいこと」の内容や枠組みを超えたものであるべきだと考えています。特に、「いま現在困っている人」を重視して運営されている「かなしいこと掲示板」では扱いづらい話題も扱われる必要があると思っています。
 
 一方、企画者として外すことができないと考えている点もあります。
・原則として中絶の選択の権利を支持し、ピルについて使わないことを含めた幅広い選択を求めること。
・弱さや失敗を含めて、当事者の視点を大切にすること。
・よりよい医療・教育を通じて、望まない妊娠を少なくするよう求めること。
などです。


 どうやって本を出すのか
 
 まだ明確にはなっていませんが、大手出版社のひとつと話をしています。