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「経口中絶薬」「妊娠中絶薬」「RU-486」の個人使用の危険について


「飲むだけで中絶できる薬」「経口中絶薬」「妊娠中絶薬」といったふれこみで、薬の個人輸入を受け付ける業者のサイトがあります。妊娠したのではないかと不安な方や、産婦人科にかかるのが怖い方、また、「お金が用意できない」「誰にも知られたくない」と思う方にとっては、いい方法だと思えるかもしれません。

しかしこの薬は、個人で使うと、大量の出血や激しい痛みなどを招く危険があります。
絶対にどなたにも使用はおすすめできません。


この薬は「RU-486」と呼ばれ、フランスなどいくつかの国では使用が認可され、病院で処方を受けることができます。しかし、日本では未認可のため、医師の処方を受けることができません。
認可されている国でも、この薬は医師の監督下で使用されることが必須とされています。
この薬には子宮を強く収縮させる作用があり、その作用で中絶を行うため、痛みと出血が伴う危険とはとなりあわせです。また、もしも思っているよりも胎児が大きかった場合には、即座に命の危険に結びつきます。
使用の前後に診察し、「使用しても安全かどうか」「経過に問題がないかどうか」を医師が判断し、万一の場合の対応に備えていることが、この薬を使うためには欠かせないのです。

また、この薬の使用による中絶は、手術による中絶と比べ、痛みや不快感は同じかそれ以上であるとの報告もあります。決して簡単で楽な方法ではありません。
個人使用の結果、激しい痛みや大量の出血で救急車を呼ぶようなことになれば、「お金がかからない」「誰にも知られずにすむ」というわけにはいきません。

仮に、誰か他の人の使用レポートを参考にしたとしても、その人がたまたま幸運だっただけで、別の人にそれが通用するという保証は全くありません。
個人でのRU-486使用には危険ばかりあって何のメリットもない、とどうかご承知ください。

この薬の存在意義そのものを否定するつもりはありませんが、医師の処方による使用が最低条件であると考えます。国内で使用が認可され、病院で処方を受けられるようになれば、ひとつの選択肢になるとは思います。



・もし、「誰かに知られたくない」という理由なら、産婦人科にかかってもそのことが他の人に知られることはないはずです。

・もしあなたが未成年であることが問題なら、親に知られないように手術を受けることも不可能ではありません。
(参考)
(親に知らせないことを推奨するわけではありません。多くの場合、親に助けてもらえることは、精神的にも物理的にもよい結果を生んでいると思います。しかし、世の中には親から精神的・身体的な虐待を受けているなどの事情のある人もいます)

・もしお金がないことが問題なら、家族や友人だけでなく病院にも相談してみてください。支払いの猶予や分割が可能な病院があるかもしれません。


RU-486の個人使用に踏み切る前に、あなたの問題を解決するためにもっとよい助けが得られないかどうか、検討してみてください。
あなたが薬のせいで苦しんだとしても、薬の販売業者は何も助けてはくれません。

(この項に関してはWashington Post紙 2000/09/29の記事を参考にしました)